海外で公認会計士がどのような仕事ができるのか?その前提として、いまどのような仕事をしているのかを書こうと思います。イメージがわくものなのかどうかは日本の実務と比較していないのでよくわかりませんが、、項目だけ書くとそんなに変わらないかもしれません、ただ、市場(現場・お客様)のニーズ、困りごとと、大変な部分は日本とは大きく異なるため実際の作業内容は確実に異なります、その点記載の中で見えてくればと思います。

業務:記帳代行 ニーズ困りごとに分けて4つあります

 

ニーズ、困りごと:

経理担当者が突然辞める、コロコロ代わる、辞める場合に引継ぎが全くなく突如としていなくなるため、常にヒヤヒヤしている(雇用に関する問題)

 

日本とのギャップ:

タイは会計人材が恒常的に不足しているため、どこの企業も引く手あまた、退職事由にかぎらず辞めて転職すると次の会社では給料があがるという基本ルール、日本とは経済環境、労働環境が大きく違う、日本のバブルのときはそうだったか?おそらく違うと思う。日本人は引継ぎなしで明日から来ませんはないとおもう。

いい悪いはおいといて、文化、お国柄。日本では基本的に経理関係の人が気分で突然やめるなんて事はほぼない。経済の状況もあり、そのような辞め方をしても次があるかわからない。なにより、引継ぎするでしょ普通。

 

会計士が行う実務:

これは会計事務所を経営するというただそれだけですね。もちろん、引く手あまたなのは他の会社の経理の雇用状況と代わりません。どうすればいいの?私も人事の専門家でなくて、明確には言えませんが、、まずはタイ・スタッフをリスペクトして、愛する、その上で日本が比較的好きな人に入ってもらい長くいてもらうような努力をしていく必要があります。会計事務所だから長くいてくれる保証なんてありません。雇用を確保するのです

 

ニーズ、困りごと:

経理担当者が当たり前ですが日本語を使えない、英語を使える人もいますがほぼつたない、タイ語であればOKですが、タイ語しかも会計という専門用語を使うのは厳しい(言語に関する問題)

 

日本とのギャップ:

日本だったら日本人しかいないので日本語でOK。クラウドソーシングとか使ってももちろん日本語ですね。単純に言語の違いがあるのと、会計の前提が違います、会計の知識・やってきた勉強も違います。そのため、違う言語で、相手の前提を聞き、理解しながら進めないといけません。

 

会計士が行う実務:

タイ語の勉強、英語の勉強です。実務的には英語でやれば事足りるのですが、まず、タイの人がで英語ができて会計ができる人というのが少ない、そのため採用・雇用に苦労する&給与が高いということと、そもそもタイはタイ語が一般の言語なので、完璧にできなくてもいいから、基礎くらいできないと国へのリスペクトも感じてもらえないし、なによりスタッフとの距離感が近づかないです。タイ語は難しくはないです、住んでますし。必要ないという人はタイ語の部分を丸々日本語に変えてみるとわかりやすいと思いますよ。

「日本で起業し、中小企業で10年以上事業をしている外国人、英語で指示を出してきたりコミュニケーションをとってくるけど、日本語はいっさいわからない、しゃべらない」そんな外国人のところで働きたいと思いますか?大手の外資だったらまだしも、中小企業ですよ。うん、無理。

 

ニーズ、困りごと:

経理担当者が会計数値の内容に関して説明などしてくれない(報告に関する問題)

 

日本とのギャップ:

日本人では当たり前で新人の基本である報・連・相。それは日本の基本です。いい悪いというレベルの高い議論はありますが、報・連・相、全くないとまじきついですよ。特に日本人的には。文化の違いなので、うめないといけません。問題の報告、連絡、相談はもちろん。月次の財務諸表についても内容を聞かないとイレギュラーなものを説明してくれるということはないです。

余談ですが、「そりゃ、日本の人だって財務諸表をちゃんと説明してくれるなんてないよ!」ということもありますが、タイにおいてはそもそも会計よりも税務のほうが重要だという教育を受けているため、会計自体が優先順位が低いという風にみなとらえています。端的にいうと、法人税の計算のために財務諸表を作っているととらえています。イメージできます?できないですよね。でもそうなんです、このギャップはもう慣れました

 

会計士が行う実務:

数字の内容に関してレビューしてこちらから突っ込んで聞いてお客様視点で疑問に思うこと、問題があること、伝えてなくてはいけないことを把握します。証憑もみます。投げっぱなしでくるので監査みたいな部分もあります。

なぜそうなるのか?という事象を把握するのがなかなか大変です。というもの、何か問題があるときには、事象の理解→問題の理解→問題点の発見→解決策の検討というステップと、やりとりがあるのですが、そもそも、その事象、問題の理解という思考が日本人が得意でタイの人はとらえるのがあまり上手でなく、面倒だからしょうがないっしょみたいになることが多いので、事象の理解をしつこく粘らないと理解できない、ひいては問題を説明できないというループにはまります。

言語的にはもちろんですが、問題を把握するためにタイの人とのコミュニケーション、やろうと思うことのギャップを埋めきろうとする気概が必要です

 

ニーズ、困りごと:

経理担当者が期限内に会計数値を作成してくれない(期限管理に関する問題)

 

日本とのギャップ:

基本的にスケジュールなしでは気持ち悪い日本人と、スケジュールの立て方がよくわからない、また決めてそして守るというプレッシャーがいやなタイ人。全然違います。いつ終わるの?ときくと終わったらいうよ、という回答が定番です。上司、部下とか、やらなくてはという概念はあまりありません。上でも何度も書いていますが、いい悪いではなく、それが文化の差なのです。

 

会計士が行う実務:

スケジュールを決めるのは日本人の仕事、段取りは日本人が誇る能力です。その上で、期限を守ってもらえるように、感じよくコミュニケーションをとる。強制しない、怒らない、というのが重要。その点またちょっとギャップがありますね。

 

全部かけると思ったら・・

てか、記帳代行だけで超書くことあった(汗)

記帳代行といって書くのは簡単ですが、お客様の雇用、言語(専門性のあるもの含む)、状況把握(専門性のあるもの含む)、期限管理、のニーズのために対応しているんですね。いろいろなニーズの上で、商売が成り立つ、サービスを提供するというのはどの商売も一緒なのですが、場所が変わればニーズも変わる、場所が変わればもちろん困り事も変わるし、そのためのアクションも変わる。

そんな例を示したくて記載しました。

その他もやっていることはあるのですが、最初のひとつのものでとんでも多くなったので後日書きます。

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