出産ほど、夫婦の認識の違いが浮き彫りになるイベントはない

当たり前すぎて日頃忘れがちですが、男と女が持つ脳や身体機能の違いは、そもそも子孫繁栄のため。

出産は最も性差が顕著に表れる場面ですよね。お腹に10ヶ月間生命体を宿し、体調や体型の激変を経て産み落とす側と、「自分の遺伝子を引き継いだ生命体がどうやらこの世に存在しているらしい」とまた聞きするも、自分の身体に何の変化もない側。出産(及びそれに続く子育て)をきっかけに、パートナーとの関係が変わってしまった。相手にイライラする。違和感を抑え切れない。男女共にそんな声を聞く機会は多いです。

男女が生まれもって備わった性差、その違いを最も活かして臨んだ1大イベントの出産を経て、関係が悪化してしまうなんて淋しすぎる。どうしたらより関係が深まるのか?第二子出産を10月に控えているわたしも、改めて考え直してみようと思います。

前回の出産を振り返って、経験を生かそう!

そもそも出産は女性の仕事、と割り切って、妊婦期間のマイナートラブルも敢えて伝えず、男性に何かを期待することは一切していなかったわたし。それでも出産後に、キー!とか、ちょっと!とか思ったこと多々。

初めての妊娠は、彼がバンコクで起業したばかりで遠距離夫婦生活中。わたしは日本で会社の同期の女性と一緒に暮らしていました。(その様子は、おんな2人暮らしの日々① おんな2人暮らしの日々②

妊娠中のほとんどを遠距離で過ごし、臨月間近になってから急に生活を共にする男女。そりゃ男性に出産の実感なんて、ある訳ないですよね。わたしが産休に入り、臨月でバンコクに引っ越して来て、慌てて「出産学級」なるものに参加し、出産及び新生児の知識を急激に詰め込む彼。

更に予定日より2週間早く、楽しくお酒をがぶ飲みした夜におしるしが来て、「明日産まれると思うから病院に行くね」と言い出すわたし。彼は、この浅い知識で明日立会出産!?まじやばい!と思ったのか、出産学級でもらったテキストを開いて俄か総復習。座ったまま寝てました。一夜漬けの試験勉強か!

結局、引っ越してきたばかりの異国で、日本で用意していた新生児用グッズを詰めた船便も、実家の母のヘルプも間に合わず、2日酔い且つ一夜漬けの彼と、2人だけでの出産になりました。。。

女性=引継書を作成し作業の見える化を。男性=”正担当”への意識の切り替えを。

出産自体は、予想外の事もあったし、勿論痛かったけど、取り乱したりすることはなく無事に完了。入院中は医療関係者が近くにいるので、心強いし特筆すべきことはなし。性差との闘いは、自宅に帰ってからが本番です。

待ったなしで24時間ずっと赤ちゃんのお世話をするわたし。①寝不足、②弱くはかない命を目の前に絶対ミスれないプレッシャー、③おむつ替え・授乳・ギャン泣きされる等々初めての経験づくし、④体調の激変(出血は続くし初めての母乳だしまだあちこち痛いし)⑤家事に注ぐ時間と体力の余裕なし、でもずっと気になってる

産後は上記理由で常にテンパっているのに加えて、女性ホルモンが活発に分泌しているので、普段より感情の波が激しくなっています。産後直後に男性からされて腹が立ったこと、何十年経っても覚えている女性が多いのは、多分このホルモンのせい。

わたしは腹立ったというほどではないけど、強烈に覚えているのは、産後に日本から応援に駆けつけてくれた母が、「夜泣きがうるさくて睡眠不足なんじゃない?仕事に支障ないかしら?」と出産前と変わらずわたしと同じベッドで寝る彼に気遣って声を掛けたら、「いや全然ですよ。まだうちの娘、夜起きて泣いたことがないんですよ。ね?ちーちゃん」と同意を求められたこと。。。!?!?。。キー!

新生児の娘、2時間毎に起きてぴーぴー泣き、暗闇の中手探りで授乳してオムツ替えて1時間は費やしてるので、わたしは実質1時間刻みでしか寝てないんだけど!全く聞こえてなかったのね!と驚愕し、慌てて引継書に、睡眠がどれだけ削られているかと、隙あらば寝たい旨を追記。あーびっくりした。

女性編

まず、女性に必要な覚悟は【感情のおもむくままに言動・行動するのではなく】【出産前に、自分がこれからどういう状態になるのか、予め予想を立てて、引継書を作成しておく】こと!

男性は、場面場面で臨機応変に対応することが、基本苦手です。いまこれやって欲しいタイミングって、見りゃ分かるでしょ!と女性が思っても、全く状況読めておらず。女性ホルモンMAX分泌中が故にキー!と思って声を荒げる、というシチュエーションはありがちです。でも感情に流されないながされない。予め彼にして欲しいことリストを作成して、作業を見える化・分担しておいてあげることが、彼にとっては親切で、その後に繋がる2人の関係性を作る気がします。

家事については、今までの実績があるので作業の見える化、リスト化は可能なはず。問題は育児ですが、大体の予想で作ってみて、産後、母子の状態に合わせて修正を加えればいいと思います。わたしは産まれてみてから、自分の娘が朝4-7時にまとめて寝てくれるタイプだと気付き、その時間にがっつり寝たいと思って、「朝食作り」を彼のリストに加えました。

家事は後回しでいいから、子供の世話になるべく早く慣れて欲しいのであれば、「朝の沐浴」「おむつ替え」をリストに組み込んで、その間自分がぱぱっと部屋を片付けちゃうとか。自分の優先順位を大事にしてリストを作るのがおススメです。嫌いな家事はこの際彼に徐々に引継したりして。。。くす。

男性編

男性は、今まで家事に関して漠然と「手伝えるけど、自分は副担当」の意識でいた方が多いと思います。それを【産後は”正担当”の意識に変える】【2人の生活リズムの劇的な変化を、楽しむ】ことを覚悟するのが必要かと!

男性って、女性より変化を嫌う傾向があります。でもこの時期ばかりは、女性と新生児に振り回されてリズムを変えられる。それを楽しむ。ここを意識的に出来るかどうかが、その後の2人の関係をよくするか悪くするかの分岐点かと思います。女性が子供にかかりきりの時期なんて、そんな長く続かないので(その内要領よく出来るようになるので)産後2-3ヶ月は、正担当が出張中という意識で、引継書見ながら頑張って欲しい!

ところで、子供を持つこと自体に消極的な人の発言で「彼女が子供にかかりきりになって、自分の事をないがしろにする」というのを聞きますが(浮気の言い訳にもよく登場する)そもそも男性が楽しんで育児を手伝ってくれれば、女性が子供にかかりきりになる時間は、どんどん減るはず。そして余力をどんどん彼に注げるはず。

育児参加ゼロで彼女に放置されるより、育児に積極的参加して、彼女がいつも綺麗で笑顔で対応してくれる方が良くないですか?ちなみに、男性が思う育児参加は、女性が思うそれとイコールでない場合が多いので、女性側との協議要ですが。

さて。また新生児との生活が始まると思うと、楽しみでもあり、2回目だからといって前回より効率的にこなせる自信もなし。でも経験は必ず2人の糧になっているはず!だと思うので、楽しみながら振り回されながら、今回の出産も一緒に乗り切ろうと思います。

Pocket