事業会社(普通の会社)に転職する会計士はキワ者扱い?

 

会計士は通常、会計士試験に合格したあと、監査法人という会計事務所に入り監査の仕事をします。

私の時はほとんどの人が大手のBIG4と呼ばれる会計事務所に入りました。

そして、3年から5年働いて、独立するというパターンが定番。

 

 

通常の会社に転職するというパターンはあまり聞きません。

なぜなら、「元々、個人で独立したい人が資格の勉強をしているから」です

 

 

そんな中2011年に私はITの上場会社DeNAの経営企画部に入りました。

最近は企業内会計士!とか、会計士は企業でどのようなバリューが出せるのか!?

とかいう話がありましたが、たった5年前。2011年にはそんな話はあまりありませんでした。

 

 

「なんで??なんかやれんの?」

 

って感じでした。企業内会計士とかいう名目で、会計士関係のイベントに呼ばれて話をしたりもしました。

その他周りの人はスターマイカ取締役日浦さん、クックパッド新規事業開発の加藤さんなど。

 

 

2011年から2013年くらいで一過性で事業会社への転職が流行っていたのは、

監査法人の業績が一時悪化してリストラをしたから。。

それだけです。いまはもう景気が回復したのでその話はあまり流行っていないでしょう。

 

 

と前段はこんな感じ。

 

以下に事業会社で働くことで得られた貴重な体験を3つシェアします。

 

ちなみに私は経営企画という部署で、

すべての取締役会の運営・参加、子会社の状況把握、全体ルールをつくる、

e-コマース事業の数字管理というような仕事をしていました。

(文字で見ると結構堅いのですが、非常に流動的でなんでもやという感じでした)

 

 

①会社にいろいろな人がいるので調整が大変⇒学ぶ

 

部署がたくさんあります、上司も何段階にもいます。

相手方にもたくさん、部署、偉い人がいます。

 

監査法人の時には現場のクライアント、その現場での上司、部下

という非常に限定されたプレーヤーで、予定、作業もプロジェクトベースなのでだいたい

期間限定で決まっているという状況だったので、調整についてあまり考えたことはありませんでした。

 

 

②法務・スキーム構築関係の仕事がけっこうできるようになる

 

会計・税務のはもともと仕事でやっているのですが、

取引を始めるためには法律がやはり重要です。それと”契約書”

JV等大きい事業をやるには圧倒的に重要です。

 

スキームの全体図を作るときに経理、税務、法務、もちろんプレーヤーの事業部

も巻き込んでうんうんうなった経験はとても素晴らしい経験でした

 

 

③事業の達成のための執念という感覚が間近で見れる、

上の人が見るべき数字という圧倒的に重要な概念が肌で感じられる

 

間近で見れるという言い方には語弊があるかもしれません。

“お前も従業員だから数字達成しろよ”みたいなこともあるかもしれません。

ただ、全体のスキーム、全体像を作る、事業の数字をウォッチしていくという仕事をしていたため、

実際の現場の感覚とは少し違った感じ方をしていました。

 

また、取締役、事業部長がどれだけ大きな概念、視点、数字感をもって行動しているか、

またそうしなければならないのか!ということが間近で、肌感で感じることが出来ました。

 

会計士としてみてきた数字が、

「事業を適切に表す、法律に沿ったお行儀のいい使い方をするもの」

ではなく、

「目標を達成するためにリーダーが示す絶対的な指標」

「ひたすら執着して達成した時の達成感を味わうもの」

「事業を冷静に把握するための唯一の客観的指標」

であるということが仕事をする中でわかりました。

 

 

※注意点

会計士の事業会社での仕事,転職を推奨するものではありません

 

会計士の資格を取得していきなり事業会社に入ろうとしている人へ

いつも思うのですが、”もったいないです”

 

事業会社が会計士に求めるスキルは、会計士が元々監査法人等で働いていた時に得たものであり、

資格勉強によって得られたスキルではありません。

 

会計士として名乗らないで企業に入るなら問題ありませんが、

せっかく勉強した資格。正しく経験を積み、次のステップとして考える方が、

キャリアとしてもいいかなと思います

 

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筆者紹介:森場 忠和(もりば ただかず):facebook 

moriba

タイ・バンコクで2013年より会計事務所J-CROWNを経営している公認会計士です!

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