タイでビジネスをするとしたら富裕層がターゲットかな。で、その富裕層の定義は?

職業柄、適切な定義づけというものがとても気になります。そんな中、興味深い記事を見つけたので内容を抜粋して紹介。

タイの所得格差は縮小傾向になるものの、依然として高所得者層と低所得者層には7倍以上もの格差が存在する。また地域間格差も大きく、人口の3割を占めるバンコク首都圏と東部で域内総生産の6割を生み出している。※高所得者層=上位20% 低所得者層=下位20% 参照 フリーペーパーArayz 8月号 P22,23タイの消費市場と物価・価値感覚を知る 以下同様

あまりピンとこない7倍という数字、上位と下位の定義は明確。バンコクその他で6割はすごいな。

バンコクと地方という2つの側面

約6,500万人というタイの総人口のうち、月収5万バーツ以上の「上流層」は約247万人(3.8%、約100万人の「富裕層」を含む)で、月収2万バーツ以上の「中流層」は約1,046万人(約16.1%)です。なお、バンコクの人口は約800~1,000万人で半数程度が中流以上、残りの半数を占めるのは地方からの出稼ぎ労働者といわれています。

まず、この定義に共感できますか?理解できますか?中流と上流の定義が私には想像より非常に低い金額だと思いました、富裕層の金額上限は??ですが、人口トータルで見ると65人に1人、バンコクには多いと思いますが、どの程度か。100万人を多いと見るか少ないと見るかそもそも論も含めて。

日本から進出する小売業や飲食業は主に中流層以上をターゲットにしていますので、タイの市場は思ったほど大きくはないということになります。他方、自動車、バイク、インスタントラーメン、調味料など対全体をターゲットとした流通品で成功しているのは大手企業のみです。タイには都会、経済都市としての首都「バンコク」と、昔ながらの農業生活を営む「地方」があり、毎月安定した収入で生計を立てる就業者と、毎月の安定収入はなく、物を売って生計を立てる農家、この2つの側面があることを理解した上で進出時のターゲットをどこに定めるかを検討しなければなりません。

日本人の多くはバンコクに在住。タイのイメージはバンコクが強いが、タイに長くいる人、もちろんタイ人から言わせるとバンコクは「別の国」のような感じなのだとか。その点日本も東京はあるけど、東京の感覚とはまた全然異なるほど差があると思います。

日本の商品、いくらくらいで売れるの?

日本の商品をタイで輸入半愛する場合、日本の卸価格に運賃、関税、VATが10-40%足され、タイに入ってから卸、国内物流でさらに15-20%、小売で35%-40%上乗せされたものが売価となり、そこにVATが7%足されます。日本で卸価格500円、売価1,000円で売られていたものは、だいたい1,500円程度になる計算。(438バーツ)

バンコクに住んでいると違和感のない割高感。そして、その金額をタイ人がどう捉えるか?

日本とタイの物価と価値感覚を「10倍の法則」で表すことができると思っています。タイの小売市場は市場規模、ターゲット層、物価など、日本とは異なる側面が多くあります。為替レートの数字だけではわからない、タイ人の価値感覚まで感じ取ることが出来ればタイ小売市場の性質への理解が深まるはずです。

これは現地ではよく言われる話。バーツ表示を円に換えるにはだいたい、×3をするんですが、タイ人の日々の生活、給与から来る物価の感覚だと×10をすると日本人の日本での感覚と整合するということ。

例えば、大戸屋で定職を食べます。お会計が300バーツ。日本円で言うと900円くらいですよね?ただ、タイ人の感覚だと、3,000円と同様だということ。3,000円のランチ気軽に食べますか?多くの人はNOだと思います。

日本のものだから、いいものだから。

その感覚に数字感覚を入れないといけない、もし当事者になったとき、10倍した値段であった場合、いくらいいものでも日本で本当にほしいと思いますか?その当たり前の感覚をまず大事にして、タイの人とコミュニケーションをスタートすることが重要だと思います。

日本人は思っているほど、タイのマーケットをまだまだ理解できていない。そういう意味では可能性がまだまだある。そう日々感じます

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