海外で日本人として物を売ったり、なにかを伝える場合の本質だと感じる。日本人だから日本を知っているのは当たり前、相手があっての商売、相手・海外を理解して初めてスタートラインにたてる。理解は言語だけじゃないので住んでも簡単じゃない。文化を理解することは時間をかけて、そして歩み寄って、信用を構築して。そこ、そのライフスタイルに未来があると私は思う。
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”──「海外での感覚」という点をもう少し詳しくお聞かせいただけますか。
中田:うーん。簡単に言うと、モノも含めた文化というのは、片方発信じゃないということです。たとえばグラス1個とっても、日本で使うときのグラスの文脈と、海外で使うときの文脈とは違う。なぜなら生活習慣が違うからです。
だから、日本のグラスを海外に持っていって売ろうとしても、海外での生活を知らない人には売り方がわからないわけです。「海外での感覚」──つまり、海外での生活や文化などを理解していないかぎり“言葉”が通じないんですよね。
「『海外での感覚』を持っている」というのは、生活習慣の違いによる文脈の違いを理解して、それを言語のようにきちんと交換できるということ。日本語を知っているだけではダメで、日本語も知っていながらイタリア語も知っていて、どちらでも話ができるということが大事なんですよ。言葉だけでなく、モノにも同じことが当てはまるんです。”
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