日々の疑問をスタッフにインタビューしてみて、事実として記載してみる
質問内容は、3つです。心してみてください。サンプルベースは3人です。内容はほぼ一緒でした。会計事務所の方も、そうでない方ももしできればヒアリングしてみてください、可能であれば結果を教えてください。
臨場感を持って書くため、会話形式で記載していきます。(太字が森場です)
- 「タイの会計事務所は月次で財務諸表作るの?」
- 「月次で財務諸表を作らない場合、その理由は?」
- 「では、月次で財務諸表を作らない場合、どのようなサービスを通常提供しているの?」
1に関する回答;「タイの会計事務所は月次で財務諸表作るの?」
「作らないよ」
「噂には聞いていたけどそうなんだ、てかなんで?必要じゃない?」
「いや、オーナーが必要としてないからね。だいたいの会計事務所は月次は税務だけやって、期末が終わってから、申告期限の5月末までにうわーーーーっとがんばってやるよ。私タイの会計事務所にいたとき、1人で18社やってたもん」
「そうなんだ。。そりゃ、12月末以降大変だね。。忙しいはずだ。。てか、月次でやっといたほうが楽なんじゃない?」
「うーん、でもそういうもんだから」
2に関する回答;「月次で財務諸表を作らない場合、その理由は?」
「うーん、オーナーがだいたい把握してるからじゃない?」
「把握してるって言っても、帳簿ないんだよね、、自分で作ってるとか?」
「それはないな。自分じゃできないでしょ」
「そりゃそうなんだけど(汗)そうじゃないと、なにか理由が理解できないんだけど日本人的には・・」
「うーん、日本人よくわからないけど、売上とか、費用とかはざっくり把握してるんじゃない?」
「そっか。そういわれちゃしょうがないな。そりゃそうだけど、じゃあ、きっちりしめた帳簿をみたいとかっていう概念がないってことかな」
「帳簿?月次でしょ?うん。そんなに頻繁に見る必要ある?」
「いや、日本だと基本サービスだし、それじゃないと金もらえないよね・・」
3に関する回答;「では、月次で財務諸表を作らない場合、どのようなサービスを通常提供しているの?」
「税金のチェックと計算、だね。帳簿は年に1回」
「そっか。。その他は?会計はいいんだ」
「まー、いいんじゃない、本当に早くしたいなら会社内で内製化してるんじゃない?」
「まーそっか・・」
気づき、結論
気づいたことを、いくつかあげていきますね
■月次会計というのは、基本的には会計事務所に求められているサービスではない
■月次会計という概念が会計に携わる(事実ベースではタイの会計事務所で働いている)タイ人にとっては普通ではない
■そのため、会計を月次で作るということが常識化されていないため、当該常識を理解できる人材が少ない、また同様に当該経験を有している会計事務所勤務者は非常に少ない
■月次の会計をプロダクトとして捉えると、端的に言うと、月次会計というプロダクトの品質はタイでは求められていない
(ただ、内製化している場合に当たり前に月次でしめているかは不明。実際、内製化していて、月次でしめられていない日系のクライアントからの相談も受けることはある。なので、タイの会社でも上場会社以外はおそらくやっていないであろう(推測)。なぜなら会計事務所で働いている人が会計人として特殊なわけではないし、そもそも、これだけ月次会計の認識のギャップがあるなら、これはタイ人における通常であるため、やっていないだろうという予想)
→日系企業の通常の認識と大きく異なる(あえていいます、グローバルレベルに届かない)
→ギャップを理解することがまず必要(問題の解決はまず理解から)、この中でいうと、タイの市場環境、お客様の要望、ニーズがそこにないため、必要性を認識できない
→日系企業の通常の認識とあわせるための、意義の啓蒙、教育、人材育成(主に意識改革)が必要
理解すればやれる。内容の意味がわかり、意義がわかればやれる。うちのスタッフの認識は悪くない。やれる。まずは軽く考えず、まじめに向き合おう。そう思いました。