会計って何のために必要なんでしょう?
数字を細かくしたものでしょ、特に見なくてもいいよ、面倒くさいよ、経営は現場感、数字はわからなくてもできる、という方、少ないとは思いますが、その他の方も含め読んだことのない方は是非この本を読んでください。
あまりに有名な本なので詳細は割愛しますが、刺さる言葉はこのひとつ
会計は「現代経営の中枢」をなすものであると考えるようになった。
数字は、飛行機の操縦席にあるコックピットのメーターの数値に匹敵するものであり、経営者をして目標にまで正しく到達させるためのインジケーターの役割を果たさなくてはならないからである。
稀代の名経営者が語る会計に関する考え方、難しい方法論ではないですよ。なぜやらなくてはいけないのか、知らなくてはいけないのか、根源的な意味について書かれています。この本に出合ったのは会計士になって₂年目くらいのこと、約10年前ですが、「とても重要な仕事に携われている、誇らしい、このメーターが正しくないと操縦を誤ってしまう、重要性を自分で強く認識したうえで全力で支援していこう」
そう思いました。そしていま、タイ。直近の悩み事はこの会計に関する日本、タイにおける認識の違い。
前こちらのほうでもちょっと書きました。
考え続けているのでここより少し発展して考えると、
この国は、上場会社を除いては、会計という概念がほとんどないと言ってしまっても過言でないと思います。月次の税金、年次の税金計算の作業ボリュームが大きい、まーそれはいいです。では、会計は?
大変だけど、業績を把握するためにやらなきゃな。。
とならないんです、タイの人の概念では。
会計は年次に1回しめる、それは何のため?年次の法人税を計算するための補足資料として。。
だから、会計の数字について細かく報告もしないし、議論もしない。たんたんと、作成だけする。経営の資料というか税金の計算資料
ということに気づいてしまった。。いや、自分の感覚か。いやいや
タイの会計に関する概念に疑問を持ったので聞いてみた
と疑問を持ったので、最近大手の監査法人のタイ人のCPA(会計士)の人にこの疑問を率直にぶつけてみた
森場
お客様に月次会計資料を提出して、業績の説明等をしたいんだ。お客様をそれを望んでる、だけど、スタッフが税金のことばかり考えてて。。それはいいんだけど、最終的に月次会計そもそもいらなくない?みたいなテンションになるんだけど、それって、タイだと普通なの?我々のような会計に携わって、数字を見て、サポートする立場からは考えられないんだけど、上場会社もそうなの?タイの?
CPA(会計士)
制度が複雑なのでなんともいえないが、言ってることは理解できる。上場会社は月次会計とか数字はしめてるし、みてるよ。ただその他の会社に関してはタイのローカルの会社は月次でしめていないことが通常だと思う。経営者の人はお金の状況とかは見てると思うけどね。
以上やり取り踏まえたコメント
要はタイの上場会社内で経理をやっているか、タイの上場会社の会計サポートをしていない限りは月次会計という概念は浸透していないということ。。この人はいいけどどうも会計士も話が通じないわけだ。この国は上場会社以外でも会計士の監査が必要だから。その人たちは会計のことあんまり考えていないんだね、アッ会計って経営で使うための月次会計ね、年次ももちろんだけど、早いタイミングで知るための会計って意味
※タイの企業数35万社(2011年)、上場会社数約2,000社(2007年) 何パーセント?上場会社は0.5%。。
ということです。
翻って日本はどうなんだろう?上場会社以外も月次会計見てる?うーん、すべてじゃないと思うけど、少なくとも、会計事務所は基本作ってくれると思う。経営者も見る、みないにしても、ないとなんかおかしいなって感覚になると思うし、作る側、提供する側も、それが当たり前だと思ってるし。
じゃあ、もらうほうは当たり前、提供する側が当たり前じゃないと思ってたとしたらどうなの?
そこがアメージングタイランド、
いや、まだタイでしか統計とっていないので、日本が普通じゃなくて、その他の国においては普通なのかもしれない。わからない。
だけど、そこ?!みたいな部分でつまづく。
海外でやるのはそういうところ。日本と同じテンションで、同じ認識で、同じ方法でうまくいくなら、すべての企業がうまくいっている。つまづくのはいつも、文化、認識の違いと、コミュニケーション。
認識を変えることができれば、会計革命が起きる
大げさでなく、そう思います。そしてそれはすべての企業のためになる。
実学を翻訳?とか考えたりもしましたが、稲盛さんのことタイの人は知らないしね。
そのメソッド、理論をまとめていって、何かの手を打っていこうと思います。
いいたかったこと
①会計という世界共通の概念でも、そもそもの意識、興味というレベルでギャップが生じている
②ギャップは適切に理解していればむしろチャンス。当たり前のことができるだけでほかを出し抜ける
革命は、華々しく、難しすぎるものでもなく、実はこんな部分にあると実感しています。
問題解決はまずは問題の理解から。