タイ財閥研究レポート:TCCグループ

バンコクの中華街生まれの中華系タイ人であるチャロン・シリワタナパクディー氏の率いるコングロマリット企業。一代でその地位を築き上げた新興の財閥です。売上高はグループで約5兆円!

当初はウィスキーを醸造するライセンスを取得し、15%を製造する権利で事業を行っていたが1985年に国がウィスキー製造事業を民営化するタイミングで保有する85%の製造権を売却した場合にそれを取得。ウィスキーの独占的醸造権を手に入れました。酒造業のライセンス、国との関係性を構築しながら徐々に拡大していきました。

1991年にタイビバレッジを設立してビール事業に参入。当時はシンハービールが圧倒的なシェアを取得していたが、みなさんご存じ、象のラベルの『チャンビール』ブランドを投入してシェアを獲得していきました。なお、グループとしては飲料事業の子会社にOishiグループなどがあります。買収したものです。Oishiグループのタンさんはそのあと同じような飲料のichitanブランドを始めてますね。競業契約とかどうなっているのかは謎です。

さて、TCCは買収による拡大に積極的な会社!2012年にはシンガポールの飲料会社フレイザー・アンド・ニーブを買収、公開買い付けによる競争となりアジアのM&A史上最大といわれる1兆8,000億円のディールをものにしています。金額がすごい。。ファイナンスの方法、交渉もすさまじいですね。

2000年代初頭から不動産事業に進出、拡大。NYやシンガポールでもホテルを経営、2012年ゲートウェイエカマイの開発、運営を開始しています。日本人も住むエカマイの駅前にあります。みなさんお世話になってますよね。

近年の開発だと、大型不動産開発「One Bangkok」が注目。バンコク中心部の総面積16・7haの土地に造成されるタイ最大の複合施設の開発のために4,000億円もの金額が投資されているよう。大きさは六本木ヒルズ2つ分の敷地にオフィスタワーのみで5棟、バンコク最高層(430m)となる予定のリッツカールトンホテルが建設されるなど、バンコクを代表するランドマークとなっていきそうです。土地すごいなー、広い。

小売り業としてはスーパー大手ビッグCを2016年に買収。近年は周辺国への拡張にも意欲的で、小売のBig C事業はカンボジア、ラオスにも展開を始めているようです。

そんな1代で築いた超オーナー企業。

日系企業との絡みはどうか、またはどのような点がありそうか?

・グループ事業の製造、販売体制を効率化する技術、システムなどに日系企業は絡めるかもしれない。流通・コールドチェーンなど

・M&A戦略による拡大をしていく会社であり、他国への投資も積極的に行っているため、日本企業への投資、特に事業シナジーのある飲料系、不動産系は投資意欲があると考えられます。

動きは速いですが、そんな基礎情報。学びながらまとめていきたいです。

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